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空間は、健康をつくれるのか?

身体中のあらゆる細胞の中に存在し、健康を左右すると言われている体内時計。現在の都市空間において、明るすぎる光や自然のサイクルとかけ離れた生活リズムなどの影響により、その機能が大きく乱されている。空間により乱された体内時計は、空間により整えることはできるのか。

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私たちの身体の中に、時を刻む精巧なメカニズムがあることをご存知だろうか。1日24時間、1週間、1ヶ月、そして1年を周期として規則正しいリズムを刻むこのメカニズムを体内時計という。体内時計は、私たち人を始めとする哺乳類から一部のバクテリアにいたるまで多種多様な生物に備わるメカニズムだ。38億年前、地球に誕生した生命が、最初に手に入れた機能ともいわれている。

生物は、「サーカディアンリズム」と呼ばれる、地球の自転によく似た24時間周期のほか、レム睡眠に見られる90分周期、女性の生理に見られる28日周期など、太陽、月、地球の活動によってもたらされる様々な生体リズムを体内に取り入れた。私たちの身体に作用して、睡眠、覚醒、自律神経の活動やホルモン分泌、体温、血圧、脈拍など、さまざまな生体リズムを制御する体内時計は、私たちが地球のリズムに適応して快適に生きていけるよう進化してきた。


体内時計のズレ、その要因とは

近年、話題になっているのが、体内時計の乱れが引き起こす心身の不調だ。体内時計が乱れると、まず睡眠不足になる。睡眠不足は集中力の低下、疲れ、イライラなどを引き起こす。睡眠の質が低下すると食欲を制御するホルモンが減少し、食欲を促すホルモンが分泌されるので肥満になりやすくなる。その他、免疫力が下がる、高血圧や糖尿病など生活習慣病のリスクが高まる、発がん性が高まる、さらには老化が早まり、寿命が短くなることがわかっている。

体内時計の乱れの原因は様々だが、近年、問題となっているのが、社会時刻と個人の体内時計の不一致により引き起こされる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ボケ)」だ。私たちの睡眠習慣は、出勤、登校、家事などの社会的イベントの時刻に縛られており、多くの場合、平日には自然覚醒時間より早く起床しなくてはならない。ウィークデーの睡眠不足を解消するため、週末は朝寝坊をしたり長時間睡眠(いわゆる寝だめ)を取ったりという人も少なくないだろう。このような平日と休日の睡眠時間・時刻のズレが、体内時計を乱す要因になるのだ。そのほか、シフトワークや長時間勤務、夜更かしなどの不規則な生活などもソーシャル・ジェットラグの原因になると言われている。つまり現代的なライフスタイルに起因することが多いのだ。とすれば、ライフスタイルがさらに多様化する未来には、ソーシャル・ジェットラグがもたらす不調はより一層、深刻なものになるのではないか。


体内時計を整える
チューニングルームがあったなら

私たち帝人は、現代の住空間もソーシャル・ジェットラグを誘発する原因の一つになっていると考える。夜間にも関わらず昼間並みの光量を発するLED照明、パソコンやテレビ、スマホなど、強いブルーライトを発する電化製品、不眠解消のために設置した遮光カーテン。自然のサイクルとかけ離れた光環境は体内時計を乱し、サーカディアンリズムに異常をもたらすのだ。

QOL向上のためには体内時計の乱れを正すことが大切である。体内時計を正す要素としては、起床時に浴びる太陽光、体内時計の周期を短くする効果のある食事による刺激、そして睡眠ホルモンと呼ばれるメラトニンの3つが挙げられる。それでは、こうした要素を加味した住空間をあつらえれば、ソーシャル・ジェットラグのリスクを軽減できるのではないだろうか?

次回は、帝人独自の“住空間と体内時計のより良いあり方”について考えてみよう。

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